2008年08月26日

世界にひとつだけの草

100人の重病患者がいました。
放っておくと1年ぐらいで死んでしまう、とても難しい病気でした。
この病気を治す方法はただ1つ。
ある薬草を煎じて飲むこと。
でも、この草は、とてもとても小さくて、世界にたった1本だけしか生えていません。
飲むことができるのは1人だけです。

誰がこの薬草を飲むか、えらい人に決めてもらうことにしました。
ある患者は、お金持ちで、「私を選んでくれたら、大金をあげよう」と言いました。
ある患者は、とても美しくて、「私を選んでくれたら、あなたの恋人になります」と言いました。
ある患者は、とても強くて、他の患者を殺してしまおうとしました。
男の人も女の人もいました。
とても小さい子もいました。
お年寄りもいました。
それぞれが、自分がどんなに生きたいか、どんなに生きる価値があるかを話しました。
死なずにすむのは1人だけです。

えらい人は、その中のだれも選びませんでした。
死なずにすんだのは、薬草でした。


☆☆☆


何の脈絡もなく、いきなり久々ショートショート炸裂です。
何が言いたいんだか、自分でもさっぱりわからないのですが、急に思いついたので、忘れないうちに形にしました。
mixiの方で、医療のことなんか書いているうちに、ふと思いついたこと。

もしも、ある難病を治す薬が1人分だけあったらどうなるだろう?

同時に思い出したのが、高尾山のこと。
ものすごい種類の生物がいるけど、その中には、1株2株だけの種(しゅ)もある、という話。

1人分だけの薬というのが、生きている薬草だったら?

ひとりひとりかけがえのない命。
そして、この1本を抜いたら絶滅してしまう薬草。

実際こんな状況だったら、どうなるのでしょう?
100人の患者の1人が自分だったら、また考え方が変わったりするのでしょうね。

まあしかし、ハッピーエンドが好みの自分としては、この物語にはつづきを書きます。
ほんとうは、本文の状態で、後味悪く悩んだままで終わってるのが完成形だと思うので、続きの部分は「蛇足」ってやつです。


☆☆☆

やがて1年たとうとするころ、世界に1本だけのその薬草は枯れてしまいました。
枯れた後には、その草の子供たちが、100本以上育っていました。
posted by SAI at 00:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 珍アイデア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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