2007年05月07日

改憲手続き法案の問題点

前の記事でさらっと一言で終わらせたので、今国会で審議中の改憲手続き法案(国民投票法案)が危険だといわれている点に触れたいと思います。集会やら勉強会やらで聞いたことの受け売りがほとんどです。
ちなみに、「改憲手続き法案」という表現をしているのは、こちらの方が正式であるらしいことと、よりこの法律の意味を表しているということが理由です。
「(憲法を変えるかどうか)国民投票で決めよう」という法律ではなくて、「憲法を変える段取りをする」法律なわけです。・・・というのも実はほぼ受け売り。では。

現在審議中の改憲手続き法案の問題点
1.最低投票率の規定がないこと。
2.教員や公務員が今の憲法について語ることがかなり制限されること。
3.一方、改憲をめぐる有料広報活動の規制がないこと。
4.憲法案の発議から国民投票までの期間が短いこと。
5.憲法改正案のいくつかの項目を全部まとめて賛成か反対か問われる可能性が高いこと。
あと、
6.これだけ問題があるといわれている法案なのに、何が何でも今国会で成立させようとしていること。

以下、長くなりますが、それぞれについて説明されていることをお伝えします。一部、自分の私見もありますが、そこは私見だと明記します。

1.について
投票率が何%だったとしても、そのうちの過半数が賛成なら憲法案は成立する。
ということは、例えば投票率40%だったとしたら、その半分は有権者全体の20%。
それで国民の総意といえるのか?
ちょっと私見を入れると、投票者が4人で、2人が賛成1人が反対1人が無効票でも決まるということですか?理論的には。
あんまり極論すると現実味がなくなるのでほどほどにしておきますけど。

2.について
例えば、今の憲法について授業をしているときに「憲法はこういうことを守っているから大事です」という説明をするのもアウトかもしれない。
それで仕事をやめさせられるかもしれないと思うと、憲法について話すとき常にびくびくしなければならなくなって、話せなくなる。
憲法学者が憲法の授業ができなくなる?という妙な事態も起こる可能性あり。

3.について
国民投票の2週間前からは、賛成反対どちらかの宣伝をマスコミを使って報道することが禁止されるが、それ以前は何でもあり。
ということは、広告・CMをたくさん出せる、金を持っている人たちにとって有利。
へたをすると、一日何度も「憲法変えよう」のCMが流れ、あらゆる新聞にそういう広告が載るという状況で、洗脳に近い状態になる恐れがある。
なお、改憲手続き法案が成立した後3年間は憲法改正案は発議できないことになっていますが、その間も宣伝し放題になるそうです。
ちなみに、憲法改正とりわけ現与党の憲法案に賛成する側には、「財界」と呼ばれるものがついています。人数としては一握りだけどもものすごい金を持っている勢力。
一方、護憲派が金を持っていないのは、言うまでもなく皆さんご存知だと思います。

4.について
憲法改正案が出てから国民投票まで最短で60日。(最長でも半年)
その間に、一般の人が憲法案を理解することができるのか?ということ。
ここから私見ですが。
60日というと臨時国会ぐらい、半年は通常国会ぐらいの期間ですね。
ということは、一日8時間以上労働している一般人が、法律を考えるのを専門にして金をもらっている人たちと同じ期間で、憲法案を理解しろということになります。休日出勤だのサービス残業だのしまくっている人が多いことを考えると、「ムチャ言うな」むしろ「ふざけんな」と言いたくなるような気が。

5.について
例えば、9条を変えることと環境権を明記することがセットで賛成反対を問われたとする。
9条を変えたくないけど、環境権はいいんじゃない?という場合どうするのか。
しかも、9条を変えるために、迷うような項目とセットになることは間違いないはず。
ちなみに、環境権とか、新しい権利に見えるものはすでに憲法13条で網羅されている。
逆に、憲法に権利を明記するというのは、書かれていない権利はないということにされてしまう危険がある。・・・という、さらに別の問題もあります。
あと、条項全部ひっくるめて「この憲法案に賛成ですか反対ですか?」と聞く形になる可能性も、まだあるそうです。

6.について
憲法を変える手続きを決めたいのなら、もっとじっくり考えて決めるべき。
今のような駆け足審議では、その日話し合った内容を振り返っている余裕があるかどうかさえわからない。
もちろん、改憲手続き法案自体の内容も、国民の意見を聞いて決めるべき。国民が望んでいるかどうか、理解しているかどうかに関わりなく法案を通すのは間違っている。
憲法を変えてもいいと思っている人も、今審議中の改憲手続き法案がいいのかどうかは考える必要あり、です。
というわけで、個人的にこの記事でも、「現在審議中の」と断っています。

書いてる自分も疲れましたが、ここまで読んでくださった方、お疲れ様でした。ありがとうございます。


リンク集(増える可能性あり)

憲法改正手続法案の憲法原理に則った慎重な審議を求める法学研究者の緊急声明
111人の憲法学者が、改憲手続き法案の問題点を指摘しています。

情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士
実は改正憲法案の全貌を一般人が知るのは、国民投票10日前!?という説も。
posted by SAI at 22:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 世の中のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「9条と環境権がセットで」というのは、例として無理があるのでは?というご意見をいただきました。
確かに、その点は、納得行くところまでまとめきれていないところがあります。
いくつか勉強会などで聞いたことをもとにしているために、「憲法改正に賛成か反対か」というおおざっぱな聞き方をされる可能性がもっと高かったときの例を使ってしまったかもしれません。
昨日この記事を書いた時点で行方不明中だった資料を先ほど見つけて読み直したところ、例文の読み違えもしていたことに気づきました。
(その資料は、4月13日付け朝日新聞の、「国民投票法案 現在の内容なら・・・ 改憲手続き動進む」という記事でした。)
他にすっきりする例が見つかれば、お知らせしようと思います。

ただ、うっかりそのまま挙げてしまったこの例から、別の方向から考えていたことについてなんとなくまとまりがつきつつあるので、書き直すということはしないでおきます。
もしこの記事を使おうと思われる方がいらっしゃったら、「この部分はちょっといい例とはいえないけどね」という評価もそのまま書いていただければよいかと思います。
Posted by SAI at 2007年05月09日 00:06
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Posted by 司法関係者によると at 2007年08月13日 11:16
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